チュッパチャップスの領収書

チュッパチャップスの領収書

センター長の速水は、ドクターズヘリの導入をかねてから強く訴えていますがドクターズヘリを維持するには莫大な金額がかかります。どいれぐらいの維持費が必要かというと、1年間での維持費が1億7000万円で、ヘリコプターの燃料費にヘリを操縦する操縦士への人件費などです。そしてドクターズヘリには医師も乗り込みます。どうして採算に合わないのかというと、ヘリに搭乗した医師がおこなった診療行為のみしか収益が上がらないからです。

医療現場と病院経営

ヘリコプターを置いておく駐機代に燃料費、そして維持するたの整備費用などは一切出てないがために、ドクターズヘリを持てば病院経営という側面でみると医師の診療費のみになるため病院側の持ち出しになるということから、病院側はドクターズヘリを導入することに二の足を踏んでしまいます。ドクターズヘリを導入すれば、国から補助金がでますがそれでもドクターズヘリを導入しても、病院経営という点でみると病院の経営にはやはり厳しいというのが現状です。もう少し早かったら救える命があるのに。という点を映画を通じて問題を投げているのでしょう。

救急現場はお金にならないのが問題

最終的にはセンター長の速水が熱望していたドクターズヘリは導入されたのでは?!と思えるシーンがあります。「どうしてヘリは飛ばないのか…」という嘆きに対して、ヘリは飛びますよ。と答える白鳥の場面があり、その後に3年間の北海道での勤務を申し渡されますが、その後にヘリポートで最初ドクターズヘリの到着をヘリポートで待ち受けるシーンが登場するからです。

救急医療現場では、人手不足の状態が続いて医師不足が叫ばれています。そして救急搬送されてくる患者を受け入れるための、人員不足にベット不足も問題となっています。とくに産科は産婦人科医の人手不足で、妊娠が判明した時点ですぐに産科の予約をしないと出産すらもできない状況が問題になっています。

そのような問題点を指摘する内容の場面が、作品の中にも登場しています。

例えば、急性アルコール中毒で救急搬送されて入院した患者が、「病院へ入院したのはわずか1晩だったのに、どうして59000円もするんだ!!高いじゃないか。ぼったくってんのか?!」と詰め寄る場面があります。看護師長から「23:55に救急搬送で運ばれているから、2晩になります。」という説明に、怒り心頭の患者ですがこのようなケースが作品中に登場しているように、実際の場面ではたくさん起きているはずです。

実際に救急搬送で運ばれてくる患者が未払いしているケースが、各地の病院ではたくさんありそれが病院経営を圧迫しているという側面があることもこれまた事実だからです。診療報酬に手術そして入院と費用が支払えないと未払いになって、個人病院を含めてかなりの未回収されていない部分が社会問題にもなっているからです。

救急医療の現場に立つ医師の速水としては、少しでも救える命を救わなくてはいけない。という使命の元で、ドクターヘリを導入するようにと病院側に求めていますが病院側からすると、国からの補助金は出たとしてもやはり病院からの持ち出しが多いという病院経営の立場から、ヘリの導入はもとより救急現場の患者受入体制に対してもぶつかっています。

診療科目の点数に関しても、心臓マッサージを1時間しても2900円そして心療内科の医師の田口に、1時間患者の愚痴を聞いていくらもっているか?と皮肉るようにいいます。心療内科には救急医療現場とは違って、医療機器もそんなに必要ではありません。医師がいれば、特別に必要な医療機器も必要ないことから設備投資に関する金額も、診療科によってかなり違います。その点も含めて、問題提起しているのでしょう。

一生懸命治療をしても、救急救命センターには診療報酬は入ってこない仕組みを知っているからこそ、病院に迷惑をかけない形の独断で医療機器が揃えたのでしょう。病院長は速水を高くかっているため、速水の辞表にも取り合うことはありませんでしたが、「チュッパチャップス」の領収書の総額が3年間で20650円があり3年間北海道での任務で借りを返すことになりました。チュッパチャップスがオチに使われたのが映画らしいです。